ジュリエットに愛の花束を。



「わかんない。初めて口聞いた時からそうだったんだけど、あたし以外の女子にもみんな呼び捨てだったから、特に注意もしてなくてそれで」

「ふーん……。じゃあ、さっきの会話はなんだよ。

あんな、世界各国共通の常識を言うためにわざわざ待ってたとかって、なんだよ」

「知らないよ。あたしが聞きたいし。

……プリンをおいしく食べて欲しいっていう純粋な思いから?」

「学食の回し者なんじゃねぇの? 

ありえねぇだろ、昨日からプリンプリン……やっぱ、おまえに気があるんじゃねぇの?

そうじゃなきゃ不自然すぎるだろ」


別に樹は怒ってるわけでもなさそうだから、あたしも黙って考えてみる。

何度となく考えてはみたものの……やっぱり一番濃厚なのはあたしの事を……。

でも、なんかそれってうぬぼれてるみたいですごく嫌だし。


事が事なだけに黙り込むと、樹が隣で唸りだす。