ジュリエットに愛の花束を。



「プリンって、冷やして食べた方がうまいから」

「……知ってるけど」


っていうか、それ、知らない人とかいるの? って思わずツッコミたくなるような情報を言って、満足そうに笑う松永。

……やっぱり、意図が全然わかんない。

わかんなすぎて、ちょっと怖いし。え、なに? 何が言いたいの?


「じゃあ、それだけ。また授業でな」


疑問の眼差しには気づかずに手を振る松永に、愛想笑いだけして隣の樹に視線を向ける。

すでにあたしを映していた樹の瞳に気付いて、ぶつかった視線に首を傾げて笑う。


「なにかね、アレ」

「まず、昨日の電話ってなに?」

「あー……なんか、プリンの賞味期限についての注意事項を……」

「で、なんで呼び捨て?」