「じゃ、送る。ちょっと待ってろ、車の鍵……」
「ダメっ!! あんな爆音のする車で来られたら、またお兄ちゃんのげきりんに……っ」
「瑞希んちまで行かなければいいんだろ? 近くまで行って、見つからないように帰ってくるから心配すんな」
「……でも、まだ電車も全然あるし、」
「ほら、早く行くぞ」
強引な樹に、なんだか「まだ一緒にいたい」って言われてるみたいで、嬉しくなる。
少し反発してみても、それを聞き入れない樹の腕に、後ろから抱きついた。
※※※
「じゃあ、また明日駅でな。今日と同じ電車?」
「うん。……寝坊しなければ」
そう言ったあたしに、樹はふっと笑みを零してから軽くキスをする。
メープルプリンの香りのするキスに、思わず笑みを浮かべた時。
……~~♪
二度目の着信。



