「や、だっ……あ、だめだってばっ…」
「いいからじっとしてろって。入んねぇだろ」
「やっ……あ、樹っ…、」
「……やっとはまった」
満足そうに微笑む樹を、じっと睨む。
激しく抵抗したせいで息が切れてた。
「やっぱり無理やりが好きなんじゃん! 変態!!」
「嫌がる瑞希がおかしいんだろっ! 付き合って3年近く経つんだから普通だろ、こんなの」
「だからってこんなの……っ、やっぱり無理っ! 恥ずかしいよ……」
口を尖らせながら弱々しく言うと、樹はそんなあたしを見て微笑む。
「俺卒業だし。俺の縄張りって事ではめとけよ。
つぅか普通だろ、指輪くらい。普通は女側からねだるもんじゃねぇの?」
「……」
一週間後に卒業を控えた樹。
だけど、『RBP』はこの部屋からでも十分通える距離だから、同棲はこのまま続行できる事になった。
あの爆音車で通うのかと思うと、それもどうかと思うけど。
3月に近づいて春めいた空から、少しだけ暖かい風が部屋に入り込む。
いつものソファに座ったまま、不貞腐れて口を尖らせた。



