お兄ちゃんの熱にあてられて、ついついこんな話しちゃったけど……それが結構恥ずかしい事だって、今更気付く。
恥ずかしくなって隣の樹を盗み見ると、樹は意外にもそんなあたしをからかおうとはしていなくて。
代わりに浮かべている優しい微笑みに、また瞼が熱くなる。
少しの沈黙があった。
そして、それを破ったのは、お兄ちゃんの声。
「……そんなに好きなのか? そいつの事」
「そいつって言わないで。……それなりに、好き」
「それなり?」
「好きだよっ! ……っていうか、あたしがそういうの言うの苦手だって知ってるくせに、本人の前でそんな事聞いてこないでよ!!
お兄ちゃんは本当に昔からデリカシーがないっ」
「好きかどうかくらい、きちんと言わなきゃ分からないだろっ!」
「お兄ちゃんに宣言する事じゃないじゃんっ! 樹にさえ言ってればそれでいいんでしょっ!!」
「俺にも言わないけどな、瑞希は」
「……っ!」
口を挟んできた樹を睨むと、樹はさっきとは打って変わって意地悪な笑みを浮かべてあたしを見ていた。
そんな樹に文句を言おうと口を開こうとした時、お兄ちゃんがそれを止めた。



