ジュリエットに愛の花束を。



「……あれ、まじでうまいな」

「食べたんじゃんっ! あんなに捨てるって言い張ったくせにっ」

「おまえがもったいないって言うからだろっ。

でも、松永にお礼とか言わなくていいから。むしろそこは捨てたって言っとけ。もう買ってくんなって」

「……松永だって、毎日プリンゲットするために大学来てるわけじゃないし、そうそう手に入らないと思うけど」


くだらない話をしているうちに大学について、樹と別れる。

その直後、後ろから飛びついてきた皐に、あたしはバランスを崩してよろついた。


「おっはよー、瑞希っ」

「やめてよっ! 毎朝毎朝!」

「だって瑞希が毎朝毎朝あたしの前にいるんだもん。しかも椎名先輩と仲良さそうに手繋いで。

飛びつきたくもなるじゃーん」

「皐、絶対あたしの後つけてきてるでしょ」

「えー、瑞希のストーカーやるならどっかのイケメン追い回すー」


懲りた様子を見せない皐に口を尖らせてから、一時間目が行われる教室に移動する。

同じ講義を選択してる皐と席に着いた時、皐が思い出した情報に目を輝かせた。