「『瑞希ちゃん』とか呼ぶなよ。エロじじぃ」
毒づきながらも否定はしない樹を見て、おじいちゃんは呆れたように笑う。
そして、ゆっくりとあたしを見た。
「樹、だいぶ瑞希ちゃんに惚れ込んでるみたいでね。
この土地に残るためにあんなに嫌がってたうちの会社への入社を決めて……、昨日だって、急に『紹介したい女がいる』なんて言ってきて。
それは多分、私に紹介する事で瑞希ちゃんをよりがっちり捕まえておくため……」
「ちょっとは黙れよっ。……本当、いつまで経っても元気だな、じいちゃんは。
つぅか、もっと年寄りっぽく話せよ」
それはあたしも感じてたけど。
なんて言うか……おじいちゃん、気が若い。
って言っちゃ失礼か。
「図星つかれるとすぐ不貞腐れるんだよな、樹は。
昔から変わらないなぁ……」
「じいちゃんに似たんじゃねぇの」
「減らず口も相変わらずだなぁ、樹は」
いつもあたしが言われるような事を言われている樹におかしくなる。
思わず笑ったあたしに気付いたおじいちゃんは、嬉しそうに笑顔を浮かべた。



