ジュリエットに愛の花束を。



「えーっと、……はい」

「なんでそこで迷うんだよ。つぅか、じいちゃんもそんな事いちいち聞くなって。

言っておいたじゃん。彼女連れてくって」


横から割り込んできた樹が、少し不貞腐れたようにおじいちゃんを見る。

するとおじいちゃんはさっきまでの笑顔を消して、樹同様に眉をしかめた。


「おまえは急すぎるんだよ。

じいちゃんがこの会社に誘った時だって、散々返事を渋って、頷いたのなんてついこないだだろう」

「あれには俺なりの考えがあったし。コネなんか、あんま使いたくなかったんだよ」

「それだったら、樹には陸上っていう才能があるんだから問題なんかないだろうに」

「だけど、それでも周りの奴らは俺を色眼鏡で見るだろ? それが想像できて悩んでたんだって。

……俺、プレッシャーに弱いし。

いいだろ、もう。覚悟決めたんだから」

「瑞希ちゃんのおかげでか」


おじいちゃんの言葉に、樹は眉を寄せて顔を背ける。