ジュリエットに愛の花束を。



「だから、俺のショックを取り除くためなら何でもするよな?」

「……わかんない」

「なんでだよ。つぅか、もう決めたし」


にっと笑う樹が、月明かりも手伝ってか少し妖美に見えて……樹から目を逸らす。


「っていうか、あたし熱あるしっ。そういう事してる場合じゃ……」

「バーカ。俺だってそれくらいの常識あるし。寝込んでる瑞希に手なんか出さねぇよ。
エロ瑞希」

「……いやらしい顔する樹が悪いんだもん」


恥ずかしくなって言うと、樹は軽く笑ってからまたあたしを見た。


「体調が治ったら、一緒に来て欲しい場所があるんだ」

「どこ?」

「……それは、あとで説明する」

「なんで?」


その後も、諦めずに何度も聞いたのに、樹は答えてくれなかった。


答えるどころか、「病人は話してないで寝てろ」って、話す事さえ禁止されて。


だけど、布団にもぐったところで、久しぶりに樹の近くにいるのに大人しく眠りにつけるわけがなかった。

布団を鼻までかぶりながらじっと樹を見つめていると、それに気付いた樹がふっと笑う。


そして、手を伸ばして、顔を半分以上覆っていた布団をめくる。