無意識に流れる涙が、吹き付ける冷たい風に飛ばされていく。 身体中の皮膚が感覚をなくす中、樹に掴まれた腕だけが、その感触を残していた。 ねぇ、樹。 樹が、好きだから。 だから、あんな選択肢しか選べなかった。 そんなあたしを、樹はいつもみたいに笑ってはくれないよね。 『本当に素直じゃねぇな』って……。 あたしの大好きな、呆れたような微笑みを、 もう、向けてはくれないよね……。