「『瑞希さんなんて、家事にも向いてないし、可愛げもないじゃない。片づけられない女ってやつでしょう?
あたしだったら、椎名くんが片付ける場所なんか見つけられないくらいに完璧に掃除してあげるのに』って言ったの」
「……」
影でかなり失礼な事言われてたみたいで、少しイラっとするけど。
この部屋を見る限り、確かにアリサさんなら部屋をきれいに使いそうだと、不満だけど認めるしかできない。
……少なくとも、あたしなんかとは全然レベルが違う。
「なのに、椎名くんってば……なんて答えたと思う?
『瑞希が最近おかしいのはおまえのせいか』って、怖い顔して言ってきて。
あたしの告白なんて完全無視。失礼でしょ?」
答えられないあたしに、アリサさんが紅茶を飲みながら続ける。
「『言っとくけど、俺だってきれい好きでマメに掃除する、素直な女が好きだし』って、椎名くんが」
「……」
……樹め。
っていうか、やっぱりそういう子が好きなんだ。
最初っからそう言ってたし、知ってたけど。
未だにそうなんだと思うと……気に入らないっていうよりは凹む。



