「なんで、」
「とにかく、そういう事だから。
……椎名先輩が嫌がってるなら、もうプリンは渡さない。作戦を変える」
「作戦?!」
「とにかく……」
そこで切った松永が、じっとあたしを見据える。
その瞳は……、あたしを睨んでるみたいだった。
ぞくっとした冷たいモノが、背中を駆け上がった。
「椎名先輩に、瑞希は似合わない。
……不釣合いだ」
「……―――」
言葉も出ないあたしに、松永はキリっとした表情を向けてから、背中を向けて歩き出した。
あたしは……
ただ、その背中が遠ざかっていくのを見ている事しかできなかった。
減らず口のあたしが、あんな事を言われたのに一言も返せないどころか、……完全に戦意を折られてた。
松永の、言葉に。



