「もし、おとぎ話の登場人物に例えるとしたら、瑞希は、ジュリエットだな」 ベッドの中で眠りにつきそうだったあたしは、樹の低く甘い声に目を開ける。 カーテンのレース越しの月明かりが、樹の表情を幻想的に照らしていた。