「笑い事じゃない! 私の好みでもないしな」

「マカの好み…。そう言えば聞いたことがありませんね」

ぎくっ。…話の方向がイヤな方に向いてきた。

「次期当主ということで、お見合いの件も多いそうじゃないですか」

「まっまあな」

「選びたい放題みたいですけど、まだ決めていらっしゃらないとか…。もしかして本命がいたりします?」

私は立ち上がった。

「…余計なことに口をはさんでいるヒマがあるなら、とっとと調査を始めろ」

そう言ってケータイをカバンに入れ、歩き出した。

「分かっていると思うが、メールで知らせろ」

「はいはい。迅速に取り掛かりますよ」