「マサさんは、お時間大丈夫なんですか?」
「うん。俺は今日休みもらってるから」
「そうじゃなくて」
「え?」
「お休みに、私となんか時間つぶして良かったんですか?」
その言葉に、マサさんの顔がきゅっと締まった。
「和美ちゃん……」
「おっ待たせー!!」
マサさんの言いかけた一言と重なるように、
可愛くて明るい声が響いた。
振り向くと、いつもは結んでいる長い髪をさらりと流した綺麗なお姉さんがいた。
ああ、確かに『ショコラ』のウェイトレスさんだ。
「詩子」
「ほら、来てやったわよ。……あれ、この子」
詩子さんは、私を見るとにやりとした笑いを浮かべてマサさんを小突いた。



