「俺は迷惑をかけられるのが1番嫌いだ」


問題児になる発言をしてから1週間後。


革張りの椅子にドーンと座る忍に見下ろされているのは、言われるがまま正座中のあたし。


眼鏡をかける忍にドッキドキしながらも、出来るだけ可愛く首を傾げる。


「そうなの?」

「お前のことだよドアホ!」

「――え?」


静かな会長室とあたしの頭の中で忍の声がこだました。


お前のことだよ! お前のことだょ…! お前のことだ……。


「なんでよぉぉぉお!!!」

「なんでじゃなくね? 苺、今日何やったか言ってみろ」


え……何って……。


「2年3組の数学の授業に混ざって……2年3組の体育に混ざって……あ、のんと燈磨に見張りさせたくらい?」

「バレバレなんだよ!」


え!? 隠し撮りしたのも!?


「現像しないから許してぇぇぇぇえ!!!」

「何撮ってんの? なぁいつ撮ってんの?」


体育の着替え中盗み見てごめんなさい! 大聖先輩もちょっと見ちゃってごめんなさい!


「とにかく、やめろ! 俺が教師に怒られんだろ!」

「ごめんなさい……」


こってり絞られて、肩を下げる。溜め息をつく忍を恐る恐る見上げると、眉間にシワを寄せていた。


いやーーーーー!!!