「僕がここに来た理由は、百合子さんに呼ばれたんです」






私に?




「はい。人間が強い願いをもったとき、妖精は叶えにいくんです。その願いを」




「じゃあ、私が強く願ったから、雅は現れたのか」




でも…私、自分の願いが分からない。


私、何も望んでない。




「百合子さん…“友だちがほしい”って願ってましたよ。

 普通、妖精は願いを聞きつけてから、タイミングを見計らって現れるのに、百合子さんの時だけは違った。

 強く強く願っていて、あんなに強く引き寄せられるのはじめてでした。だからあんな変なタイミングで現れちゃったんですよ?」





正直、後のほうはあんまり聞いてなかった。


私…自分の知らないところで友だちがほしいって願ってたんだ。