* * *


「もしかして、弥生君。泣いた?」




 映画が終わり、二人で買い物をしていた時だ。





 不意に澪がそんな事を言った。





 勿論、弥生は慌てない。

 すぐに反撃した。



「そういう澪さんこそ。目がウサギみたいになってますよ?」




「え! 嘘!」


 澪は慌てて鏡で瞳を確認する。


 すると弥生は楽しそうに言った。








「嘘です」



「えぇー?」





「澪さんて、本当に疑う事知らないんですね? 見てて飽きないですよ」






 ハハハと、弥生は笑った。



 そういえば、昔稚尋にもそんな事言われたっけ。













 隣の弥生を見ながら、澪はふと昔を懐かしんでいた。



 すると。