【完結】─続─泣き虫姫のご主人様







[いい子ね……それでこそ、貴方は私の可愛い息子よ]






 ポタ……






 弥生の額から滴り落ちた汗は、再び地面を濡らした。






 早く切りたい。



 その一心で、弥生は必死に猫撫で声を発した。











「じゃあ、もう切りますね?」












[早く帰って来なさいね]





「はい……」














 ピッ









 そう返事をすると、弥生は急いで通話ボタンを切った。






 後に残る、何とも言えない倦怠感。










「……はぁ………すぅー」



 何度も、乱れた呼吸が正されるまで、弥生は大きく深呼吸を繰り返した。