この手で紡ぐ神の欠片




  *

「階段上がって突き当たりにオレの部屋あるから、入ってて」

お茶いれるから、と
詠人が言った。

「りょうかーい」

私が適当に返事をして
階段に足を乗せたとき、

「女の子を一人歩きさせるのは悪いけど」

と言った。

「いや、家の中だし大丈夫。つかごめん、勝手に失礼しちゃうから」

私はそう答えた。

大丈夫ご自由に、と
詠人は言うとこう続けた。

「あと父親が今日はいるから、色々と我慢ね」

「普通になしだよっ!」

「はいはい」

詠人はそう言って
リビングであろう扉を開けて
中に入ってしまった。