この手で紡ぐ神の欠片




詠人は素直に黙る。
それから微笑みを浮かべると、
私の名前を言った。

「今日、ウチくる?」

何も言わず
引きつった顔をして、
私は彼から一歩距離を空けた。

「…いや、何故離れた」

「変態」

彼が伸ばした腕をはたいた。

「違うっつの。いやらしいこと考えてねーよ」

「嘘ぉ」

「どうしたら信じてもらえる、姫?」

ふざけた言葉だ。
私は頬をかいた。

「保健室の続きはやりません」

「誘っといてさ」

ニヤニヤと詠人が笑った。

むっとしたが否定できなかった。