答えなどわかっていたが
流石に予想通り過ぎて
思わず笑ってしまった。

「許可も貰ったし、では」

私はフェンリルからおりて
自分の足で立った。

フェンリルの巨大な体躯が
盾になり私には風がこない。

だがフェンリルが温かかったせいか、
冬の温度のせいか、
肌に触れる空気は冷たかった。


「〈神を壊し私が神になろう、北欧神話を織り神話を紡ごう〉」

言いあげた〈神唄〉。
それと同時に開く本。

フェンリルの弟、
本に載る姿は蛇。

大地を取り巻く、大蛇。

その名は、

「ヨルムンガンド」