この手で紡ぐ神の欠片




「…きょうだいと?」

『父親というか、母親というか』

フェンリルが言葉に悩んだ。

そう、と私は言った。

「お会いしたいね」

『マスターなら、会えますとも』

その言葉は
神話を呼び出す“力”のことを
言っているのだろう。

「ごきょうだいに、会っても良い?」

私は一応フェンリルに聞いた。

『ええ』

フェンリルは顔を縦に振った。

『もちろんです』