この手で紡ぐ神の欠片




しばらく間を置いて

『ありがとうございます』

フェンリルが
穏やかに言った。

それだけで、
自分も私を好きだとは
言ってくれなかったけれど。

こんなもんかな、
そう思うことにした。

私は、口を開いた。

「あなたに、家族はいるの?」

『はい、きょうだいは私を含め3人と――…』

何故かそこから、
フェンリルが言い淀んだ。