この手で紡ぐ神の欠片




『そうですか』

フェンリルが低い声を出した。

「うん!」

『今日はカラスがいないのですね』

フェンリルが巨大な体躯をおろす。
私はフェンリルの背中までよじ登って、うん、と言う。

「聞きたいことがあるのに」

私は溜め息混じりに言った。

フェンリルの背中は、乗り心地が良い。

「きたら、死刑。つか焼き鳥」

『不味そうですね』

「――確かにね」

クスクスと私は笑った。