この手で紡ぐ神の欠片




  *


天使は用事があるらしく
曲がり角で別れた。

…別れ方が本当に普通過ぎる…。

私はむぅ、と唸りながら
昨日の公園にきた。

神話の“力”に慣れるためだ。

と自分に言い聞かせるが
本心は、
フェンリルに会いたいという
犬好きの血が騒いでいたからだ。


「フェンリルぅう~…」

私は適応にメロディーをつけて
フェンリルと
歌いながら本を出した。

「今日もやるサ?」