この手で紡ぐ神の欠片




「血は水より濃いのは必然。もう動き出してるわ」

珍しい、上品な言い方。

本当に天使だな、と私は納得した。

「何が、動いているの?」

天使は私の目の前にきて、
私と同じ目線の高さになった。

「それはね―――」

誘うような、深く碧い瞳。

私は飲み込まれそうになる。

「あなた方の神話よ」

幻想めいた言葉だが、
彼女が言うならありかもしれないと思った。