私は茶色の髪の毛を指に絡めて
不機嫌な表情をしていた。

「可愛い顔が台無し」

笑いながら詠人が言った。

眼鏡の奥の瞳を細めて
優しく笑った。

「失礼ね」

素っ気無く私は言ったが
本当はそんなこと
思ってはいなかった。

菜生がからかってきたので
机にいれてあった辞書を
頭に落として黙らせた。