「おはよっ、珠輝!」

教室の自分の机で寝ていた私に
走ってきたのか
肩を上下させながら菜生が言った。

「お、菜生、おはよ」

それだけをゆっくり言うと
私はまた腕に顔を埋めた。

「何?眠いの?」

「ははっ、ちょっと疲れて…」

そう。
私は昨日のことで
いくら寝ても足りないほど
体に疲れが残ってしまった。

菜生はふぅんと言うと
私の前の席で、
マフラーをとり支度を始めた。