「…すみません…父さん…」

今の父親に対してだったのか、
私を生んだ父親に対してだったのか、
よくわからなかったが、
自然と口から言葉が漏れた。

泣きそうになって、
私は顔を上に向けた。
目を固く瞑る。

「…明日なんかこなきゃ良いのに――…」


そう、言った瞬間に

「――いっ――」


ズキン、

胸元に痛みが走った。


反射的に
そこを手で抑える。

だがもう、
痛みはやってこなかった。

本当に一瞬だけの
切れるような痛み。

私は顔を歪めて、
ネクタイを緩めて胸元を覗く。

「――やっ…!」