遠くにする車の走る音や、
ザワザワとした喧騒も、
雪が静寂として私に音を伝えた。
切り離されたように、
静かだった。
「――…どうしてだろ…」
私が何も言わずに、
詠人に別れを告げていれば
彼らを深く
傷付けることはなかっただろう。
きっと、内心、私は
「少しだけ…格好いいんじゃないかって、思ってたんだろなぁ…」
きょうだいの恋。
いわゆる“禁断”というものが
格好いいんじゃないかって。
けど、現実は
痛くて辛くて
格好よくなんかなかったんだ。
傍から見れば、
どこか焦がれるような
恋愛かもしれない。
「――…ごめん…詠人…」
黙っていれば良かった。



