「さっむー」
そう言ってまた、溜め息。
白く染まって、消える。
そしてまた、現われる白。
伸ばした指先に触れた、白は、
一瞬で、消える。
「――雪…」
私は立ち上がって、
地上に注がれては消える雪を見た。
「…私のせいなんだろなぁ」
詠人があんなに怒ったのは。
詠輝さんが殴られたのは。
天宮家を崩壊させてしまったのは。
何よりも、
私たちの想いが恋になってしまったのは。
雪の白さが、皮肉っぽかった。
ゴミ溜めの児童公園には、
不釣り合いなようで、
その雪はとても似合っていた。
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