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日曜日、私は約束通り
詠人の自宅へ向かう。
「〈神を壊し、私が神となろう、北欧神話を織り、神話を紡ごう〉――スレイプニル」
私は自宅を一歩でると
〈神唄〉を言って白い本を開いた。
直後に、
ヒヒィン!と
馬の鳴き声が耳に入り、
それが現れた。
スレイプニルは、
最高神オーディンが乗っている
8本の足がある馬のことだ。
それが目の前にあると、
さすがに8本は気持ち悪いかなと少し思った。
「まぁ良いや」
馬具も着いていない異形の馬に
私は少し苦労して跨がる。
「スレイプニル、天宮家まで」
首筋を撫でながら言うと
『わかりましたっ』
少年らしい元気な声で
その馬は返事をして
ヒヒン、と高らかに鳴くと
風を裂いて走り出した。



