この手で紡ぐ神の欠片




  *

「おーかえり」

その日私は家に帰ると
母のいるリビングに入った。

「ただいま母さん」

素っ気無く私は良い、
巻いていたマフラーをほどき
ソファに座っていた母の前に
仁王立ちした。

「お父さん仕事長引くって」

パーマ掛かった黒髪に指を絡め
テレビを見ながら母が言った。

私は腰に手をあて、
いやらしく目を細めて、口を歪める。


「――へぇ、それって」