押し入れを開けると
少し埃っぽい匂いがした。

「えぇと、コート」

なんかの段ボールの中かな、と
ガサガサと私はあさった。

適当に段ボールを
開けようとした、ら

ごんっ、

頭に何かがおちてきた。

「いっ!」

反射的に頭を抑えた。

「いってぇ…なんだよ」

足元にまで落ちたそれを私は見た。

私の目が、大きく開いた。


まるでそれは
私に見てもらうために
表れたとでもいうように――

それを見るのが
運命だというように――

《memory》と書かれた
淡い桃色をした分厚いアルバムがあった。