この手で紡ぐ神の欠片




  *

靴を履いて、
玄関のドアノブに触れた。

「じゃあ、また明日ね」

「うん」

詠人が小さく笑う。

ノブを捻った。

「アタシ、詠人が好きかも」

そう言って浮かべた、
誰にも見せたことがないくらい
とっておきの笑み。

詠人が目を丸くした。

「お邪魔しましたっ」

言うが早いは、
逃げるように――実際逃げるようなものだが――扉を開き天宮家を後にした。