フェンリルに癒してもらうか。
そう思うと
私は白い本を出し
〈神唄〉を言いあげた。

「あぅーっ!フェ、ン、リ、ルっ!」

ぎゅむう、と
大きな狼に抱き付く。

「かっわえぇ~」

すりすりと、
フェンリルに頬を擦りつける。

ひゅうん、と
フェンリルが鳴いた。

『一応狼なのですが』

「それでもアタシの愛犬だ」

フェンリルが尻尾を
力無く垂らした。

「可愛いっ!一緒に寝よう寝よう」

ひたすら撫でる愛でる。

先ほどの愛犬という言葉で
フェンリルは
狼として少しショックを受けたのか
少しションボリしていたが、

「大好きっ!可愛いっ!」

気にせずに、
抱き付くことにした。