この手で紡ぐ神の欠片




「あぁ、ごめんごめん」

私は思い切り苦笑いをした。

「デートでもどう?」

詠人は手を差し出した。

「お断りだ」

私はそう言って
彼の手をペチンと叩いた。

「じゃあ、少しお話でも」

私は考えるフリだけをした。
それから、ニコリと笑って

「それなら」

そう言うと、
ブランコの所まで駆け出した。

小さい子どものような
遊びの誘いのように、
少年をもてあそぶ
蝶々のように。

詠人は微笑を浮かべ、
私の後をゆっくりと歩いて追う。