「用があるなら言ってね多分健全な男子中学生」
「多分てなんだよ」
お互い、
少し笑うと
詠人が真面目に話をし出した。
「お腹へった」
…真面目じゃなかった。
「冗談冗談」
…いや本気だろ。
「本当だって。――じゃあ、本題です」
さすがに私の冷めた視線が痛いのか
顔の前で手を振って
話を断ち切る仕草をした。
「明日は、暇かな?」
「…アタシは学校ですねぇ」
「放課後だよ姫さん」
「うん。――ごめんふざけた」
私はクスクスと小さく笑った。
詠人は目を細めて、
「じゃあまた明日」
そう言って
公園を出て行って――
「引き止めろよ」
そう言って戻ってきた。



