「…楽しいなぁ」
私は小さく呟いた。
「楽しいけどさ、こんな時間って一瞬なんだよね」
言葉が、心から溢れた。
「いつ終わるかなんてさ、まじで分からないもんだし」
言葉を吐く私の隣に、
詠人が立った。
「もしかしたら、明日世界が終わるかもしんないし」
「オレらが死ぬかもしれないし」
私の言葉に合わせて、
歌うように詠人が言った。
「けど、そういうもんだよね」
何を言ってるんだろう、と
頭の中では思っているが
反するように
言葉が溢れてくる。
「リセットボタンも、終わりも、次のハジマリの為」
私は、はぁ、と息を吐いた。
「――僕らは、」
私の口から、
今まで口にしたことのない
一人称が出てきた。



