フェンリルは私に撫でられながら

『同意します、ケルべロス』

そう言った。

『お前たち』

ガルムが咎めた。

「嫌味な私のわんちゃん達」

私はクスクスと笑いながら
そう言った。

「ケルちゃんさっきのセリフの――」

ケルちゃん、と言ったせいか
ケルべロスがまた顔に皺を寄せた。
だが
私は構わずに続けた。

「〈創造主〉っつったよね、何?」

私はそう言い終えると、
戻れ、と呟いて
ガルムとフェンリルを
本に戻した。

ケルべロスと2人きり。
正確には、1人と1匹か。

いつの間にか、
太陽は傾いていて
徐々にクレヨンのような赤に
染まりだしていた。