『噛み付くぞ』
ケルべロスが唸った。
馬鹿じゃないの、私は呆れた。
「負けませんから」
私は不敵な笑みを口元に浮かべる。
ガルムとフェンリルは
ケルべロスに今にも飛び掛かりそう。
ピリピリとした3匹の纏う空気。
ガルムとフェンリル、
大した忠誠心というか…。
『ふん。北欧の神話の犬どもが』
ケルべロスはそう言い捨てると
伏せをして6つある目に私を映した。
「あんたも犬だろ。…ドーベルマン?」
『違う!…って、魔物として誇りも威厳もない…』
私がボケた後、
一応ケルべロスは突っ込んでから
耳を垂らしてうなだれた。



