この手で紡ぐ神の欠片




「ちぃっ!――〈神を壊し、私が神となろう、北欧神話を織り神話を紡ごう〉」

手元に本を持って
私は口早に言う。

「フェンリル!――ガルムを援護して」

ぐぁあ、と
フェンリルが現れ
ケルべロスに飛び掛かった。

風が裂かれて、
私の髪が舞い踊った。


天地を食らうフェンリルの方が
大きくて、
フェンリルはケルべロスを
4本の足で押さえ付けた。

ケルべロスが哀れっぽく
フェンリルの下にいて
じたばたと足掻いている。

北欧の冥府の番犬は、
少し離れて
そんな2匹を見ている。

「よしよし、ガルム、お疲れ様」