この手で紡ぐ神の欠片




「うわっ、ヤババッ!」

パニックになりそうだったが、
私は直ぐに落ち着いて
口早に告げる。

「〈神を壊し、私が神となろう、北欧神話を織り、神話を紡ごう〉――ガルム!」


ギリシャ神話の冥府の番犬が
3本の首をもつケルべロスなら

私は北欧神話の冥府の番犬、
ガルムだ。

目には目を、歯には歯を、だろう。

「ガルム!ケルべロスを取り押さえろ!」

一瞬で現れた番犬ガルムに
私はケルべロスを指差し
命令を下した。

「ァオォオン――」