この手で紡ぐ神の欠片




そんな私にカラスが言った。

「お前だって好きだからと言ってフェンリルを呼んでいたサ」

私はむっとしてカラスに言う。

「だってフェンリルは番犬じゃないじゃん」

「フェンリルは鎖に繋がれているべき存在サ」

動物虐待反対、と言って
私はカラスを睨んだ。

「神々は巨大な狼。――神々も恐れるサ」

あんな可愛いのになぁ…、と
私は呑気に思った。

「神々は小人のドヴェルクに魔法の鎖を作らせてフェンリルを拘束したサ」

――じゃあ、
呼び出していない間は
フェンリルは繋がれているのか。