この手で紡ぐ神の欠片




「だからそんな姿になって“それ”は来たサ」

カラスが言い終えた。

説明染みていて
少し分かりにくかったが、

「つまり…逃げ出す為に変な体で来てしまったと?」

「そんなもんサ」

…そんなもんか。

「で、今ケルべロスは?」

番犬は戻っているのか。

「いや、まだサ」

呆気なくカラスが告げた。

「駄目でしょ!?」

「駄目サ」

カラスが普通に言ってのける。

「ギリシャ神話を使う者が、時々呼んでいるようサ」

「……馬鹿だろ」

私は頭をおさえた。