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4限目の授業が終わると、
私は開放されている屋上へ出た。
薄い水色に濡れた空。
やっぱり聞こえる
風の音と、いくつもの雑音(こえ)。
私はいつかに乗り越えた
フェンスに触れる。
フェンス越し、
下には街が広がっている。
茶色い髪が風になびく。
私は何をするまでもなく、
ふぁあと欠伸をした。
落ち着かなくて
ただここに来ただけだ。
「――…気持ち良いな」
私は呟いた。
そう呟いた声に、
バサバサと羽が動く音が重なった。
「――人間は翔べないサ」
いつかに言われた言葉。
「知ってるよ」
フェンスにとまったカラス。



