*


無言で玄関の扉を開けた。

私は開けると直ぐ、
自室へ繋がる階段を駆け上がった。

その際足音がしたからか、
母が気付きおかえりと言って、
聞こえた私はそれに答えた。

私は自室の扉を
パタンと閉めて
窓を開けた。

「カラぁスっ!」

響かない程度の声で
暗くなった空に言う。

3秒待っても、
来なかった。

私はたった3秒で痺れを切らし
白い本を手に持った。