卒業式が終わった後みたいな感覚?


嫌いな勉強しなくて済むはずなのに、なんか淋しくなっちゃうみたいな。


そんな感覚に近かいって自分では思いたかった。


だけど、現実は目の前に壁のようにキチンとあった。


忙しいメールを送ってから、久しぶりの七瀬からのメールだった。


避け続けてる罪悪感から、メールを開いてしまった。


『避けてるだろ。まさか、写真のことを忘れたわけじゃないよな?映画は公開してないからまだ写真は消してないからな。』


やっぱり…。


くる時が来たった感じ。


映画公開まで逃げ切れる保証はない。


もう、直接話すしかない。


合鍵も返したいし。


グッと携帯を握り締めると、ピコピコとメールを打った。


『分かってる。』


送信すると、すぐに返信が来た。


『分かってるなら、今日は早く終わるからこい。』


『はい。』


そうメールすると覚悟を決めた。