窓に影


 それから授業は、なぜか夕方まで続いた。

 時間になって母が来ても、

「一緒に自分の宿題もやってるから」

 と、歩が続行宣言をしたのだ。

 歩め、余計なことを……。

 おかげ様で私の数学の宿題は全てこの日で終了した。

 今日はものすごーく頭を使った気がする。

 食べたクッキーの分くらいは、消費できた自信がある。

「もう夕飯よー」

 母が部屋に来た時、私は完全燃焼して机に突っ伏していた。

「もう、恵里。だらしないわよ」

 ひょうひょうとしている歩がフォローをしてくれる。

「まあまあ、今日だけで数学の宿題全部終わらせたんだし」

「あーら、明日雨でも降るのかしら。これも歩君のおかげね」

 母は驚きながらも嬉しそうに笑い、歩に何かを手渡した。